クローバー『薔薇十字会の神智学』シュタイナー著より
今日、言葉は単に空気の波動となるだけですが、将来、人間はその似姿を言葉のように喉頭から発することになります。人間は人間から発生し、人間は人間を話し、作り出します。話し出されることによって、新しい人間が誕生するようになるのです。
薔薇十字の修行は、人間の内部で炭素を酸素に変化させる器官を形成する、規則正しい呼吸を指導します。現在、植物が行っていることを、将来、人間は自らの器官を通して行うようになるのですが、この器官を修行によって今から形成するのです。この器官の形成には多くの時間を要します。規則正しい呼吸を通して、酸素を製造する器官を自らの内に形成できます。人間は現在、鉱物的な存在ですが、将来、植物と一体となった存在になります。人間は炭素を自らの内に保持して、炭素から自分の体を構築していくようになります。将来、人体はより植物に似たものとなり、神聖な愛の槍と出合います。そのとき、全人類は、今日、秘儀参入者が高次の世界へと上昇したときに体験する意識を獲得します。人体の実質は、炭素を基盤とする実質へと変化します。錬金術が人体を植物に似たものに構築していきます。このことを錬金術師は「賢者の石」の製造と呼び、石炭をその象徴としました。人間が規則正しい呼吸を通してこの器官を作りあげることができたとき、初めて、石炭は「賢者の石」になるのです。この教えは師から弟子へと伝授されるもので、深い秘密に守られています。そして、自分を完全に浄化、純化した後で初めて、弟子はこの秘儀を受けることができるのです。
よい食事や飲み物を好む人が教師や教育家になった場合、その人の語る言葉は生徒に届きません。欲望の多い教師が語る言葉は、生徒の耳を素通りしていきます。それなのに、このような教師たちは、自分の煩悩を省みないで、生徒の理解の悪さを叱るのです。高い次元から人生を理解し、中庸を守り、必要以上の食事を摂らず、とくに、運命を受け入れるよう心掛けている人は、やがて、自分の語る言葉が霊力を有するようになっているのに気づきます。言葉だけでなく、視線も力を持つようになります。それどころか、生徒のそばにいて、晴れ晴れとした思考を持つだけで、生徒を励ますことができるのです。どれほど深く、自分の要求を断念しているかにかかっているのです。
高次の世界における霊的活動の正道は、断念の道です。ここで、私たちは創造的諦念、創造的断念という概念を自分たちのものにしようと思います。この創造的断念を魂の中で体験することは、私たちの日常生活の遥か彼方に存在する宇宙進化の表象を得るために、非常に重要なことなのです。創造的断念という概念を把握することによって、私たちは人類の進化の深みの中に歩みを進めることができるのです。

クローバー
人間の器官は完成形ではなく、進化し続けているというお話。
言葉によって新たな人間が生み出される、というのは象徴的には現在ただ今でもあり得ることだと思います。言葉によって感化され人間は別の人間に常に変化し、生まれ変わっているのですから。
人間内部の炭素を酸素に変える呼吸って。。。
イヤシロチ化するために土地への炭素埋設法を楢崎氏が広めましたが、何らかの理由で衰えた大地がもともと持っている酸素化のシステムを引き出した、ということなのでしょうか。言い換えれば、大地が健全な呼吸を取り戻した。と。ということならば、人間も大地の呼吸を真似すればいいということになります。
しかし、大地の呼吸って何だ?
シュタイナーは日本人の私たちには耳慣れない独特の言葉を使います。たとえば、「断念の道」とか。仏教的な言葉で言うならば、ここに書かれていることは「無我」への道だと思います。シュタイナーは無我なる思いを自己欲求を断念すると表現しているのですね。教師の姿として例にあげていますが、子育て中の親にも言えることだと感じました。