『霊学の観点からの子どもの教育』ケルンにおけるシュタイナーの公開講演より概要

人間の4つの構成要素
肉体は鉱物界と共有している。
エーテル体肉体の関係は、ちょうど水と氷のようなもので、肉体はエーテル体の中から発達してくる。このエーテル体を、生きている動物や植物と共有している。
喜び、悲しみ、欲望、衝動、思考、意志などはアストラル体が担っていて動物界と共有している。
肉体と鉱物界、エーテル体と植物界、アストラル体と動物界は共有しているが、自分自身の自我を他者と共有することはできない。
人間を構成する4つの要素は退治の時代から、それぞれの成長過程を異にしながら成長する。
人間は一定の成長を遂げるまでは母親の胎内に包まれているが、そのようなプロセスを何度も繰り返して成長を遂げる。つまり、人が誕生してからしばらくはエーテル体やアストラル体に包まれて成長する。
歯が生え換わる時期に母親のエーテル体の覆いから子どもが離れ、子どものエーテル体が誕生する。
子どもが性的な成熟を迎えると次に母のアストラル体の覆いから子どもが離れ、子どものアストラル体が誕生する。
子ども自身のエーテル体が誕生する前に、外からエーテル体に働きかけると有害な結果をもたらす。
霊学的な立場から言えば、7歳までの子どもには、子どもの肉体だけに働きかけるような教育だけが許される。エーテル体が誕生した時にエーテル体に働きかける教育が許されるようになる。このようにそれぞれの人生の時期に相応しい教育原則を編み出すことができる。
この時期には「模範」とそれを「模倣する」環境が与えられるべき。
7歳までのこども(歯が生え換わりはじめるまで)
人生の最初の7年間(歯が生えかわり始める頃)に、肉体の器官が発達する。この時期には「子どもが見たり、近くしたりするモノの模倣を通して子どもの感覚に働きかける」。
この時期の子供に命令したり、言葉で戒めたり、禁止しても効果は無い。こどもは大人のする事を模倣する。大人は、子どもがしてはならないことを子どもの前でしてはならない。言葉の意味をほんとうに理解する力はエーテル体に属している。
子どもが周りに喜びや楽しさを見て育つことはとても重要なこと。喜びや楽しさは健全な器官を創る。子どもの気質をよく見て身に付ける洋服の色や壁や床の色などにも配慮する。おとなしい子どもには青や緑の色を見せるようにする。元気な子どもには黄色や赤の色を見せると、子どもの中に補色が生まれバランスが取れる。
本物のような人形や、できあいの積み木よりも、使い古しのガーゼに目鼻をインクで書いた人形の方が子どもの想像力が目覚める。子どもは全身全霊で想像力が産み出したイメージに没頭する。すでに完成したおもちゃを与えられても子どもの内的器官は活発に働かない。
7歳までの子どもは自分にとって何がよいのかを感じ取る本能を持っている。(本能が損なわれていなければ)7歳までは、何が肉体器官によいのか教えてくれるが、早くから多くの働きかけ(無理な節制、命令など)をしすぎるとこの本能が損なわれ健全さと成長の可能性を絶ってしまう。
7歳ごろから12歳~16歳ごろ(性的な成熟を迎えるまで)
7歳ごろ子どものエーテル体が生まれると、エーテル体の形成を促すものを与えなければならない。7歳から12歳ぐらいまでの子どもに重要なのは「権威と信念と信頼と畏敬」。エーテル体は子どもの性癖や性格になって現われる。この時期に子どもの判断力に働きかけてはいけない。
偉人、尊敬する人、憧れの人物に出会う。その人のようになりたいと思い人を信頼する。この時期に自分の理想像を見つける。この時期「理想像」と「理想像を見習う」環境が必要。
この時期には何かを判断することではなく、記憶力を育成することが重要。九九や詩編を覚えさせる。そして生活習慣や性格の基礎を作る時期。
その教育のために「権威」が必要になる。尊敬できる「教師」が周りにいるとよい効果がある。
教師から流れ出るものが良心、性格、気質までも育成し、素質となって保持される。
比喩や象徴をとおして霊性を学んだことは、子どものエーテル体を育成する。メルヘンや民話、英雄伝、歴史物語を話して聞かせるとエーテル体を育てる。
7歳から14歳前後の時期、健康と人生の喜びの感情を呼び起こすものを全て育成する。
体操の授業も重要で、教師は「体がどのような動きをする時に魂が力や健康の感覚を感じるのか」などをよく知っている必要がある。良い声楽曲や器楽曲も重要な役割を持つ。
子どもは生命を持たないおもちゃを自分で生きた物に変えることを学ばなければならない。生き生きとした動きを感じると子どもに活気を与え、生命に対する感覚ができる。
14歳から21歳ごろまで
子どものアストラル体が生まれると、個人的な判断力が現われる。ものごとの批判的な見方について働きかけて良い時期が開始する。しかし、二十歳前の、まだアストラル体が十分に成長していない段階で健全な判断をする事は不可能。
この時期には子どもに「原則」を与える必要がある。
どの時期にどの構成要素に働きかけるかを知ることは、人間が正しく成長するためには重要。
あらゆる思考も感情も、言葉に出さないことも全てが子どもの周りに存在するものを動かし、作用する。「口にさえ出さなければ、子どものそばでどんなことを感じたり考えたりしてもかまわない」というのは通用しない。私たちは、心の最も深い部分まで純粋な思考と感情を保持しなくてはならない。私たちの感情や考えていることは子どものエーテル体とアストラル体を守ったり、傷つけたりする。