今年の漢字が決まりました。
”北”です。
北朝鮮のミサイルが北海道を通過。
豪雨が九州北部を襲った・・・と、北風イメージそのものと重なりもっとも票を集めたようです。
昨年の金にはおめでたいイメージがありましたが、すこし厳しさが漂う昨今ではありますね。
寒さも本格的に到来し、高山などでは初雪が降ったとのニュースです。
イソップ寓話の『北風と太陽』では、北風は旅人のコートを脱がせることができませんでした。
あたたかく接する太陽の方が重い鎧を脱がせるには効果的だったというお話です。
日本の神様にも北風を象徴する神と太陽を象徴する神がいます。
日本には三種の神器という宝物が皇室に伝わっていますが、「鏡」「剣」「玉」はそれぞれになっている概念があります。
鏡は「太陽」にあたります。
剣が、この場合は「北風」と言えます。厳しさであり、裁定であり、武力であったりします。
剣の神の一人にタケミカヅチがいます。武神の1柱であると言われています。
目次
タケミカヅチ(建御雷之男神 武甕槌命)
タケミカヅチは、鹿島神宮の主祭神であり鹿島神といわれることもあります。タケミカツチという名はいつ贈られたのかはよくわかりませんが、青年のころは「ヒノハヤヒコ」とか「ヒワヒコ」と呼ばれていたようです。
優秀な測量士だったヒノハヤヒコ
アマテルカミが宮移しをする際に日本地図を作らせたのが「ヒノハヤヒコ」でした。ヒノハヤヒ子ヤマトを巡ってすべてを描きました。ヒノハヤヒコの地図をもとに宮移しの場を伊勢と決めたのです。
ヒノハヤヒコがご祭神の神社→蜂前神社(浜松市)
ところで、江戸時代の伊能忠敬は3753日、16年を費やして蝦夷から沖縄奄美大島を除くほとんどを測量し終えました。測量隊を組み、さまざまな道具を使ったり歩測で測量しています。ヒノハヤヒコはいったいどのような方法で計測したのか、興味シンシンですがくわしい記述はありません。けれども、測量に適したなんらかの能力を持っていたのではないかと思われます。
おそらくその秘密は名前に込められていると思うのです。
ひの→ 「日の」「火の」「杼の」
はや→ 「早」「速」「羽矢」
ひこ→ 「男」
タケミカヅチと名づけられた理由
タケミカヅチと呼ばれるようになった由来かもしれない記述がホツマツタヱにあります。
全国的騒乱をとり鎮めたときの論功行賞の内容です。
ホツマツタヱ8あや
たけみかつちは なるかみに タケミカヅチと成るカミに、
たけものぬしの かふつちと 勇ましいサムライに贈られる、特別な剣と
さきのくにゑに ゆりしつむ 国絵を描いたことへの報償として、
かないしつちも たまふなり 国の動乱を鎮める要石を賜ったホツマツタヱ10あや
いづもきつきに かふつちの 出雲杵築(オオナムチの庭)に
つるきをうえて うつくまり 剣をさしてうずくまり
なちりとふなり みほこりて その身上のほころびを問うた。
あさむくみちお ならさんと 上を欺く道を、平らげるために
われらつかふそ そのこころ 我らは使いとして来ている。
ままやいなやや (上に)素直に従うのか否か。
カフツチとは「欺(あざむ)く道を均すための剱」のようです。大地に植えるという使い方をしています。甕とは固めた土の事なので、その様子を顕して、「物主(ものぬし)のなかでも特に勇気あるタケ」「ミカの使い手」「動乱を鎮める槌ツチ」というような意味をタケミカヅチの名に込めたのではと思える記述です。
タケミカヅチが祀られる神社
三重県の大村神社のご祭神の1柱がタケミカヅチです。境内にカナイシツチが祀られています。
”揺り鎮む”ということで、地震の神様ともされる由縁です。
タケミカヅチは国の動乱や地震を鎮めるご神徳があり、武神として大きなお働きをして尊崇を集める武神なのです。
タケミカヅチの本拠地は鹿島神宮(茨城県)です。
北風がふいたとき、なにができるか
武神で、跡継ぎが欲しかっただろうと想像しますが、子は一人、姫のみでした。その「ひとりひめ」は春日殿(ココトムスビ)の息子、アマノコヤネに嫁ぎました。そして鹿島神は跡目を婿殿アマノコヤネに継がせるです。
ココトムスビが身に着けていた「たまがえし」を実際に行うことができた神様でもありました。それは、曲がった心を生まれ変わらせる術です。曲がったことを糺す神様なのです。カシマタチ(国譲り)の際に剣を突き立てて真意を問うた方法は「北風」でありましょう。
北風が北風として役に立つのは「まっすぐに成長させる」「逆境に耐える力になる」「足腰を強くする」からなのでしょう。南国で育った松の年輪は粗く、建物を建てるには不向きなのです。北国で寒さに耐えしっかり目の詰まった年輪を重ねた松は強くて粘り強く、何百年も家を支える杭に使われることもあります。
「北」の緊張に晒されている今、本気で人生に取り組むことがとても重要になってきます。曲がった道、本意ではない道に本気を出すことなどできませんものね。だから今、タケミカヅチは必要な神様なのです。
「本気で筋肉、鍛えたい」女子が増えています。
ストイックに体をいじめていじめてキタえぬく女性がよく取り上げられたのも今年でしたね。
キタえ抜いて、6つにわれた女性の腹筋を見るのが好き、というのも世相でしょうか。
そういう女性と結婚するのは無理、というアスリート男性がいるのも世相?
ちなみに日本の女神様で筋肉女神、いるのかな・・・
日本の筋肉女神は”こころ”で勝負
かなり、祓い能力の高い女神さまはおいでです。
セオリツヒメという神様がおいでですし、ハヤサスラヒメなども。
肉体の筋肉についてはわかりませんが、男神であっても畏れる神様ではあると思われます。
TRINITY【天叢雲剣とヤマタノオロチ】
トリップノートコラム【名古屋】三英傑神社めぐり
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